夢幻の騎士と片翼の王女
目を閉じていても感じた明るい稲光が閃き、そして、大地を揺るがすような雷鳴…
私は、突然の出来事に目を開き、起き上がった。



空からは、滝のような雨が降り注ぎ、目も開けていられない程だった。
燃え盛る炎は、徐々に消されていき、私はどこにも身の隠しようがなく、その場でじっと耐えていた。
身体を叩く激しい雨は、さながら天からの制裁のように思えた。



「あっ!」

不意に誰かに身体を抱えられたと思ったら、あたりの景色は一変していた。
雨も降ってはいない。


私を抱きかかえていた腕が、私をそっと地面に降ろした。



「あ…あの……」

私の前に立っていたのは、長い白髪の老人だった。



「……腹は減っているのか?」

「え?」

考えてみれば、昨夜から何も食べていなかったことに気が付いた。
でも、それを素直に言うこともなんとなく躊躇われ、私は口ごもった。



ぐぅぅ……



ちょうどその時、私の代わりに返事をするかのように腹の虫が鳴いた。
老人は、私の頭をぐしゃぐしゃとなでると、手を繋いで近くの家に向かって歩き始めた。
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