夢幻の騎士と片翼の王女
*
「ご、ごちそうさまでした。」
老人は台所に立ち、野菜のたくさん入ったシチューのようなものを私に振る舞ってくれた。
いろんなことがありすぎて、すっかり忘れていた食欲がそのシチューのおかげでよみがえり、冷えていた身体に熱が戻った。
「おまえはなぜあんなところにいたんだ?
誰が、木を燃やした?」
その質問は、まるで私を問い詰めているように思えた。
「ぼ、僕……」
涙声になりながらも、私は話した。
母と一緒に家を追い出されたこと…母が湖に沈んだことを…
話すのはとても辛かったけれど、私は、話さなければならない。
私のせいで起こったことなのだから。
「なぜ、おまえの母親はそんなことをしたんだ?」
「それは…僕のせいです。」
「おまえの?……どういうことだ?」
「僕の両親はごく普通の人間です。
なのに、僕には魔導の力がありました。
お父さんは、お母さんに浮気をしたんだろうと言いました。
でも、お母さんは絶対にそんなことはしていないと言いました。」
そこまで話すと、どうにも悲しくて、私はまた涙を流していた。
「先祖返りだな…」
「先祖…返り?」
「そうだ。両親には魔導の力がなくても、もっとずっと前の時代に、魔導の力を持つ者がいると、稀に何代かしてそれを受け継いで生まれる者がいるんだ。
何も不思議なことではない。」
「僕のせいですか?」
「いや、違う。誰のせいでもない。」
当時の私には少し難しい話だったが、僕のせいではないという言葉で、なんとなく救われたような気がした。
「ご、ごちそうさまでした。」
老人は台所に立ち、野菜のたくさん入ったシチューのようなものを私に振る舞ってくれた。
いろんなことがありすぎて、すっかり忘れていた食欲がそのシチューのおかげでよみがえり、冷えていた身体に熱が戻った。
「おまえはなぜあんなところにいたんだ?
誰が、木を燃やした?」
その質問は、まるで私を問い詰めているように思えた。
「ぼ、僕……」
涙声になりながらも、私は話した。
母と一緒に家を追い出されたこと…母が湖に沈んだことを…
話すのはとても辛かったけれど、私は、話さなければならない。
私のせいで起こったことなのだから。
「なぜ、おまえの母親はそんなことをしたんだ?」
「それは…僕のせいです。」
「おまえの?……どういうことだ?」
「僕の両親はごく普通の人間です。
なのに、僕には魔導の力がありました。
お父さんは、お母さんに浮気をしたんだろうと言いました。
でも、お母さんは絶対にそんなことはしていないと言いました。」
そこまで話すと、どうにも悲しくて、私はまた涙を流していた。
「先祖返りだな…」
「先祖…返り?」
「そうだ。両親には魔導の力がなくても、もっとずっと前の時代に、魔導の力を持つ者がいると、稀に何代かしてそれを受け継いで生まれる者がいるんだ。
何も不思議なことではない。」
「僕のせいですか?」
「いや、違う。誰のせいでもない。」
当時の私には少し難しい話だったが、僕のせいではないという言葉で、なんとなく救われたような気がした。