夢幻の騎士と片翼の王女




「何か探してるのか?」

背中から聞こえた声に私が振り向くと、そこには私より少し年上に見える少年達がいた。



「あ…あの、僕…働き口を探してて…」

「働き口を…?おまえ、もしかして親がいないのか?」

「……はい。」

「それは大変だな。
それじゃあ、住むところもないのか?」

「はい。」

「金は持ってるのか?」

「はい、少しだけ…」

「見せてみろ。」

私は、少年に言われるままに持っていたお金を差し出した。



「なんだ、これだけありゃあ家が借りられるぞ。
ちょうど俺の隣の家が空いてるんだ。
俺が話を付けてきてやるよ。」

「じゃあ、僕は働き口を世話してやろう。」

「ほ、本当ですか!?よろしくお願いします。」



町に来て早々、良い人達に出会えた。
私は、その出会いに感謝した。



「じゃあ、少しここで待っててくれ。」

「はい、わかりました。」



ところが、昼になり…夕方になってあたりが暗くなり始めても、少年たちは戻って来なかった。
何か手違いでもあったのかと、あちらこちらを探してみたが、少年たちの姿はどこにもなく、仕方なく、私は山の家に戻った。


次の日も私は少年たちと約束した場所に出向き、彼らが来るのを待ったが、三日経ち、五日経ち…
私は愚かにも、一週間経ってようやく騙されたということに気が付いた。
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