夢幻の騎士と片翼の王女




「神父さん…私、働いてみようと思うのですが…」

あれから、私は教会でお世話になっていたわけだけど…
だんだんそれが申し訳なく思えて来て…
それで、働きたいなんて言ってはみたものの、実は、バイト経験は、ドーナッツ屋さんの売り子しかない。
高1の時の夏休み、友達と一緒に社会勉強ってことで約一か月働いただけ。
そんな私に何が出来るかわからないけど、いくらここが教会だからって、ずっとお世話になるわけにはいかないと思ったから。



「そうですか。わかりました。
どういうお仕事に就きたいのですか?」

「え…特に希望はないんですが…
出来れば、何かの販売とか…」

「販売ですか。店員ということですね。
誰かに聞いてみます。
……でも、気を遣わなくて良いのですよ。」

「あ…はい。」



神父さんは、私の気持ちに気付いてるみたいだった。
私がここでご厄介になっていることを、申し訳なく思ってるって…
まだ若そうなのに、さすがは神父さんだな。



(それに、よく見ると意外とイケメン…)



好きとかどうとかいうもんじゃないけど、それだって、きっと幸運のひとつだ。
そう…私はツイてる…!
だから、きっと、家にも帰れる…!



無理矢理でもなんでもいいから前向きに考えることにした。
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