夢幻の騎士と片翼の王女

(抜けない……)



指輪は、まるで私の薬指に貼りついているかのように、少しも動かなかった。
そのことが、また不安を大きくさせる。



まさかとは思うけど…
それでも、もしかしたら、私がここに連れて来られたことと、この指輪にはなんらかの関連があるんじゃないかって気がして…
この指輪をはずしたら何かが変わるんじゃないかって思ったんだけど、それはどうやら不可能のようだった。



その反面、そんな馬鹿馬鹿しいことがあるはずないとも思える。
そもそも異世界って何?
ごく簡単にいえば、今まで住んでた世界とは別の世界ってことよね。
そんなものは、小説や漫画や映画の中の想像物にすぎない。



だけど、私が今いるユーロジアはまさに異世界。
私の住んでた世界とはまるで違う。



考えれば考える程、私は混乱するばかりで今の状況を説明することも、元の世界に戻る手立ても何も思いつくことは出来なかった。



ただ、ありがたいことに、私は特に体調が悪いわけでもなく、この世界で言葉が通じないわけでもない。
そうだ、諦めなければきっとなんとかなる…



あぁ、こんなことなら、友達に借りた異世界の本をもっと読んでおくんだった。
最近忙しかったから、主人公が異世界に行くところまでしか読んでない。
って、読んでたところで、帰るヒントになるようなことが書いてあったとは思えないけど…
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