夢幻の騎士と片翼の王女
教会からしばらく歩くと、商店街のような場所に出た。
どこか懐かしい感じのする商店街で、そこにはたくさんの人々がいて…それがみんな外国人だから、まるで外国に旅行にでも来たような気分になった。
行き交う人々は私を見て、怪訝な顔をする。



「……心配はいりませんよ。」

神父さんもそのことに気付いたのか、優しく声をかけてくれた。
本当に良く気の付く人だな…



「あそこですよ。」

花屋さんは商店街の奥の方にあった。
私の知る花屋さんとは少しばかり雰囲気が違うけど、綺麗な花が店の前にたくさん並んでた。



「ジェームスさん、こんにちは。」

神父さんが声をかけると、作業をしていた男性が振り返った。
小柄な中年のおじさんだった。



「おぉ、神父様…」

そう言って、おじさんはすぐに視線を私の方に向けた。



「この子ですか?」

「はい、この人は、亜里沙。
日本という遠い異国から来た者です。
年は……」

「じゅ、18です。」

「18?もっと子供に見えるな。」

「本当に18です!」

私がむきになって声を上げたせいか、おじさんと神父さんはくすっと笑った。


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