夢幻の騎士と片翼の王女




(いたたた……)



身体のあちこちがひどく痛んだ。
花屋は綺麗なお花に囲まれて、さぞかし気分の良い楽しい仕事だろうと思ってたけど、意外にも重労働だった。
運んで来た花を切りそろえて、花の種類別に樽に入れて…その樽がすごく重い!
樽自体大きいし、なんせ水が入ってるから。
それを店先に並べるのが大変だった。
あと、大きなお屋敷への配達もあった。
荷車にお花をいっぱい乗せて、それを引いて行く。
私はどこにいっても、皆にじろじろ見られたけれど、その度にジェームスさんがうちの新しい使用人だって言ってくれた。
仕事の手順も詳しくおしえてくれたし、本当に優しい人だ。



今はまだ教会のお世話になってるけど、近いうちに家をみつけてやるとも言ってくれた。
神父さんも、私が仕事を始めたことを喜んでくれた。
大変だけど、簡単にやめるわけにはいかない。
仕事をみつけてきてくれた神父さんにも、雇ってくれたジェームスさんも裏切れないもの。



(頑張らなくっちゃ!)

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