夢幻の騎士と片翼の王女
侍女らしき人が、扉を叩こうとしたまさにその時…



「あ…あぁ…あ~ん……」



部屋の中から女の人の艶っぽい声が聞こえて来て…
それが何を意味するのかは、私にも当然わかる。



「えーーーっごほん。」

侍女らしき人は、とてもわざとらしい咳払いをする。
私もどうすれば良いのかわからず…何も聞いてない素振りをした。
ピエールさんもそれは同じのようだった。



「え、えっと…と、とりあえず、お茶でも…
さ、さ、こちらです。」



女性は、そそくさとその場を離れ、私達も急ぎ足でそれについていった。
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