ヴァージンの不埒な欲望

それから私は、大慌てで準備をした。日々の積み重ねが多少はいきたようで、短時間でヘアメイクをなんとか見られるくらいには仕上げた。

洋服は……

つい先日、横山さんのお店に、丈直しをお願いしていたワンピースを取りに行った。その時に手持ちの服を持参して、買い足す服やコーディネートのアドバイスを受けた。

それをそのまま使わせてもらおう。細身のジーンズに、ニットのアンサンブルを合わせる。姿見で全身を確認して「よし!」と、自分の気持ちをさらに上げた。

予定があると言っていた拓夢さんが、どうして急に誘ってくれたのだろう?『サーカス』て、あのサーカスだよね?なぜ突然、サーカスに行く事になったのだろう?

準備をしながら、疑問が頭の中をグルグル回る。そうすると、私の準備の手がゆっくりとしたものになる。

ダメ、ダメ!今は、考えない!頭をブンブン振って、湧いてくる疑問の雲を振り払った。

アクセルを踏む足に、力が入りそうになるのを堪え、いつもの待ち合わせ場所である公園の駐車場に、安全運転で辿り着いた。

十時五十九分……なんとか、ギリギリ間に合わせた。

拓夢さんの車は、もう止まっていた。慎重に、急いで車を止めた。


< 137 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop