ヴァージンの不埒な欲望
「え~!マジっ!?」とブツブツ言っていた彼だが、クラスの人気者でまとめ役だった彼は適任だった。
「お互い、損な役回りだよな~!」なんて、私の事も気遣ってくれた。
彼も私も、真面目にクラス委員の役目を果たした。
本当に、それだけだったのに。
私は、クラスの女子からさりげなく苛められる日々がしばらく続いた。
それも、その男子とは最低限の会話だけをして、ひたすら静かに息を潜めるようにしてやり過ごした。
さりげない苛めは段々少なくなり、クラス委員を変わったら、いつもの平穏な日々に戻った。
女子高、女子大を卒業し、就職してからしばらくは、平穏な日々が続いた。
総務課に配属され、雑務を淡々とこなした。
営業事務に配属された社内一の美人と噂される同期に、なぜか気にかけてもらえ、ランチや仕事終わりの飲み会にも声をかけてもらえた。
就職して三年目、私に営業事務への異動の辞令が出た。びっくりしたし嫌だったが、会社員として当然受け入れざるを得ない。
「愛美ちゃん、一緒にがんばろっ!」
きれいな微笑みを浮かべた同期に「よろしくお願いします!」と、身体を半分に折って頭を下げた。
周囲の助けを借りながら、なんとか営業事務の仕事に慣れた頃。ある取引先の営業の人から声をかけられた。
「星野さんのお父さんて、中学校の先生をされていますか?」