明日の蒼の空
 外は冷たい風が吹いているし、家から街の中心街まで子供の足だと三十分以上も掛かってしまう。それに、今日はあちこち回る予定。

 この世界に来てから間もないりさちゃんの体に負担を掛けたくない。

「りさちゃんは、馬車に乗ったことがあるかな?」

「馬車ってなあに?」

「お馬さんが引く車のことを、馬車っていうのよ」

「シンデレラに出てくるカボチャの車も馬車っていうの?」

「そうよ」

「んんー、乗ったことない」

「それじゃあ、馬車に乗って行こうか」

「うん。馬車に乗って行こう」
 嬉しそうな顔で返事をしてくれたりさちゃんと手を繋ぎながら、家から二百メートルほど離れたところにある馬車の停留所に向かい、時刻表を確認した。

 町外れから東ひまわり駅まで走っている馬車の本数は一時間に二本。

 中途半端な時間に家を出てしまったため、次の馬車の時間まで二十分くらいある。

 一旦、家に戻るのも面倒なので、りさちゃんと一緒に屋根のある停留所のベンチに座り、馬車が来るのを待った。
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