明日の蒼の空
 次の停留所で、一組の家族連れが乗ってきた。

 旅行にでも行くのだろうか。お父さんもお母さんも三人のお子さんたちもリュックサックを背負っている。客車の中は一気に賑やかになった。

 八人の乗客を乗せた馬車は、ラベンダー畑を抜けて、住宅街に入り、十時前に東ひまわり駅の停留所に到着した。

 このままずっと乗っていたいところだけど、ここで降りなければならない。

 ハツ江おばあさんと家族連れが降りた後、私はりさちゃんを抱き抱えて馬車から降りた。

「どうもありがとうございました」

「おじさん! どうもありがとう!」
 りさちゃんも大きな声で、馬車の運転手さんのおじさんに向かってお礼を言った。

「よかったら、また乗っておくれ」

「うん! またおじさんの馬車に乗る!」
 嬉しそうな顔で返事をしたりさちゃんの顔を見て、明日から毎日、りさちゃんと一緒に馬車に乗ろうと思った。

 パカパカパカパカお馬さん♪ 大五郎ちゃんとキャサリンちゃんは力持ち♪ パカパカパカパカ馬車を引く♪

 私と手を繋ぎながら歩いているりさちゃんが可愛らしい声で歌い始めた。

「りさちゃんは、お歌が好きなんだね」

「うん。好きだよ」

 馬車に乗ってご機嫌な様子のりさちゃんと手を繋ぎながら街中を歩いて、北面を描く場所に行ったところ、町長さんの吉川さんが立っていた。
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