明日の蒼の空
「りさちゃんの似顔絵を描いてもいい?」
 私がみんなのふっちゃんに初めて立ち寄った時のように、菓絵さんがにっこりと微笑みながら、りさちゃんに尋ねた。

「う、うん」
 りさちゃんは両手でほっぺを押さえながら、恥ずかしそうに頷いた。

「それじゃあ、この椅子に座ってもらえるかな」

「うん」

 菓絵さんとりさちゃんは向かい合って座った。

 いつもの鼻歌を歌って、ご機嫌そうな菓絵さんがスケッチブックにりさちゃんの似顔絵を描き始めた。

 私は二人の顔を交互に見つめた。

 りさちゃんは恥ずかしそうにしながらも、にこにこと笑顔を振りまいている。

「描けたわよ」
 菓絵さんがスケッチブックを広げて、りさちゃんに見せた。

「あたしだ!」
 りさちゃんは嬉しそうに叫んだ。

 赤い毛糸の帽子を被っているりさちゃんの似顔絵。表情は笑顔で、目も鼻も口元もりさちゃんにそっくり。

 菓絵さんの似顔絵の上手さは、本当に天下一品だと思う。

 私が感心している間に、菓絵さんが椅子から立ち上がり、似顔絵が描かれたスケッチブックと色鉛筆と筆箱と塗り絵セットを、りさちゃんにプレゼントしてくれた。

「どうもありがとう!」
 りさちゃんは大きな声でお礼を言った。

 家に帰ったら、菓絵さんが描いてくれたりさちゃんの可愛らしい似顔絵を、部屋の壁に飾ろうと思う。

「いろいろとありがとうございました。次の用事がありますので、そろそろお暇します」
 菓絵さんはお昼ご飯を食べている最中、あまり長居しては申し訳ない。

「うん。りさちゃん、また来てね」

「うん! また来る!」
 大きな声で返事をしたりさちゃんは、いろんな駄菓子やおもちゃや文具類が無料でいただける、みんなのふっちゃんに味を占めた様子。にこにこと微笑みながら、菓絵さんに向かって手を振った。
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