明日の蒼の空
「ひばりさん、混んできましたので、厨房に戻ってください」

「ごめんごめん。すぐに戻るわね」

 副料理長の水葉さんに呼ばれたひばりさんは厨房に戻っていき、笑顔でハンバーグを焼き始めた。

 私も空のキャンバスに絵を描いてみたいと思っている。

 空のキャンバスに絵を描くことは私の子供の頃からの夢。

 空のキャンバスに絵を描けたら楽しいだろうな。私は空を見上げる度に思っていた。

 どうやって描いているんですか? と言って、ひばりさんに聞けばいいだけなのに、私は未だに聞けずにいる。

 空のキャンバスに絵を描いたら、みんなに見られてしまう。この町の人だけでなく、他の町の人たちにも見られてしまうかもしれない。

 空のキャンバスに絵を描くのは、小さなスケッチブックに絵を描くのとはわけが違う。

 だから恥ずかしくて言い出せない。恥ずかしくて聞くことができない。
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