明日の蒼の空
「これより、本列車は海の上を走ります。星のしずく海岸到着まで、海と空の景色をお楽しみください」
 御手洗さんのアナウンスから数十秒後、我が家を乗せた小さな電車は海の上の線路を走り始めた。

 確かに海の上を走っている。

 海の上をゆっくりと進んでいる。

 海の上でも、ガタンゴトンと音を立てている。

 揺れも振動も少なく、陸地の線路を走っているのと変わりない。

「御手洗さんも、一杯どうですか」

「私は、勤務中ですので」

「御手洗さんは、相変わらず真面目ですね」

 夏美さんと御手洗さんの会話に耳を傾けながら、私は新生姜の甘酢漬けをおつまみに牛乳を飲んだ。

 りさはどうぶつビスケットをおつまみに牛乳を飲んでいる。

 車窓からの景色が最高に素晴らしいので、いつもの百倍美味しく感じられる。



 せーんろはつづくーよ♪ どーこーまーでーもー♪ 

 りさが大きな声で歌い始めた。

 貸切状態なので、誰にも迷惑は掛からない。

 夏美さんと私も大きな声で歌い始めた。

 運転席の方から、御手洗さんの歌声も聴こえてくる。
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