明日の蒼の空
 私が言うまでもなく、日菜子ちゃんと寛太くんは春子さんに付きっ切り。

 顔や首の汗を拭いてあげたり、お水を飲ませてあげたり、着替えを用意してあげたり、春子さんの手を握り締めながら、次から次へと優しい言葉を掛けている。

 一生懸命に励まし続けている。



 日菜子ちゃんと寛太くんの献身的な介抱により、春子さんの熱は下がった。

 顔色もだいぶよくなってきて、ベッドから起き上がれるようになった。

 食欲が出てきたようで、日菜子ちゃんと寛太くんが買ってきたお弁当とサンドイッチを嬉しそうに食べている。

 ありがとう。ありがとう。と笑顔で言い続けている。



「日菜子、寛太。心配掛けて、ごめんね。ママはもう大丈夫よ」

 春子さんの明るい笑顔を見て、私は少し安心した。



 日菜子ちゃんと寛太くんのおかげで、春子さんの病気が回復したことを、さっそく正行さんに報告した。

「もう見に行っても大丈夫ですよね?」

 嬉しそうな顔で私に尋ねた正行さんが春子さんの様子を見に行くのは自由。私が決めることではない。

 でも、もし、また万が一にでも……。

 風邪が治って仕事に復帰したとはいえ、まだまだ予断は許されない。

 私は悩んだ挙句、もう少しだけ待ってください。と頭を下げてお願いした。
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