明日の蒼の空
 この日は四時前に家に帰り、いつものように郵便受けを確認した。

 今日は、二通の手紙が入っていた。

 一通は夏美さん宛ての手紙。もう一通は私宛の手紙。差出人は私の姉だった。

 とにかく嬉しくて嬉しくて嬉しくて、胸がじーんと熱くなってくる。

 今すぐ読みたいところだけど、やるべきことをきちんとこなしてから。

 どんなことが書かれているのだろう。と思いながら洗濯物を取り込んで、ダイニングの椅子に座り、手紙の封を開けた。



 私が送った手紙、蒼衣の元に届いたかな。この手紙も、天国で暮らしている蒼衣の元に届くと信じて書いているからね。この間は、暗い手紙を送ってごめんね。あれからいろいろと考えて、このままではいけないと思ったんだ。蒼衣のために元気にならないといけないと思ったんだ。ひと月ほど前から職場に復帰して、今は普通に働いているよ。蒼衣に逢えないのは寂しいけど、いつの日か必ず逢えると信じて生きていくからね。私のことを見守っていてね。私は永遠に蒼衣の姉だよ。

 姉からの手紙を読み終えた瞬間に、なんとも言えない温かさに包まれて、涙が零れ落ちてきた。大切な手紙が涙で濡れてしまった。



 いつもの時間に帰宅した夏美さんに、姉からの手紙が届いたことを話してみたら、「良かったね。優しいお姉さんのために笑顔になりましょう」と言ってくれて、泣いている私にタオルを手渡してくれた。

 私は涙を拭いて笑顔を作り、もう一人の姉の夏美さんと一緒に料理を作った。
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