熱愛系エリートに捕まりました
しばらく並んで、それぞれの飲み物とMサイズのキャラメルポップコーンを購入。

待合スペースのテーブルや椅子は埋まっていたので、適当な壁際に立って待ち、入場開始のアナウンスと同時にシネマに入った。


「俺、映画館で映画観るのすごい久々だ」

「あー、確かに。わたしも夏以来です。ちょっと待てばDVDが出ますもんね」

「でもやっぱりこの独特の雰囲気がいいよね。暗くなる瞬間のワクワクとか」


ポップコーンを間に置いてシートに座り、そう言って無邪気に笑う薬師丸さんはまるで少年みたい。

普段はイタリアブランドのスリーピースのスーツをかっちり着て仕事をバリバリこなすエリートも、こうしてスクリーンを前に期待に胸躍らせるんだ。


彼のこういうところが好きだなぁ、とじんわりと実感する。

ギャップ、と言うべきかわからないけど…

社会人の中でも一流の人間ではあっても、プライベートまで完璧なわけじゃない。
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