熱愛系エリートに捕まりました
プロにヘアセットとメイクをしてもらうなんて、成人式の前撮りや従姉の結婚式、あとは大学の卒業式ぐらいでしか経験がない。

メイクは自分でそれなりに研究しているつもりだったけど、プロの腕前はやっぱり違うわ。


メイクさんに何度もお礼を言って一階に降りると、再びフィッテングルーム前の待ち合いスペースでソファに座っていた薬師丸さんを見つけた。


「あの、お待たせしました」


近づきながら声をかけると、パッと顔を上げてこちらを見上げる。

肘掛の横に備え付けのテーブル板に、ジュースが入っているらしきグラスをコトッと置いて立ち上がった。


「可愛い…でも大人っぽさもあって綺麗だね。似合ってるよ瞳子」


彼もまた、何度か見かけたビジネス用のかっちりしたものより華のあるパーティースーツを身に纏っていた。
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