熱愛系エリートに捕まりました
心配げに顔を覗き込まれ、慌てて首を振った。

それでもさっきまでより密着した体勢になり、鼓動が加速する。

腕を組むなんて人生初で、体全体がくっついたような感覚に羞恥心がこみ上げる。


お店にいた間に1時間以上経っていて、完全に日は沈み、空はもう真っ暗だ。

お店がある裏通りから大通りに出ると、欅並木がLEDを全身に纏って煌めいている。


「すごーい、綺麗…」


思わず感嘆の声を漏らすと、隣の薬師丸さんがこっちを見下ろしてクスッと笑った。

歩くスピードを落として車道側、同じようにイルミネーションを楽しんでいる人たちで流れが緩い方に誘導してくれた。


夜を迎えたメイン通りが端から端までキラキラときらめいていて、この季節ならではの景色にしばし見惚れる。

気づけば寒さなんてすっかり忘れていた。
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