熱愛系エリートに捕まりました
それからも職場は相変わらずギスギス、というかネチネチしていたが、俺の心境は変わった。

萎縮したり敬遠していたその場所で、基本に立ち返って、元気よく挨拶したり愛想よく受け答えをするようにした。

俺があの日、名前も知らない女性の行動に心を洗われたように、俺だけでもポジティブでいれば何かが変わるんじゃないかと思えたから。


いや、例え何も変わらなくとも、自分自身が変わることで気持ちがだいぶ楽になった。

実際、同じく中立派の人たちとも近づけたし、各方面から飲み会に誘われることも増えた。

まぁ、その大半が女遊びか派閥への勧誘、あるいはその逆の牽制だったりしたのだが…


困った人たちだなぁ、と思いつつも、以前ほど思い詰めなくなった。

やっぱり転職はせずに、ここでやっていこう、と前向きになれた。


あの女性のことは、あれから一年が経っても忘れられずにいたけど、かといって再会することもなかった。
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