熱愛系エリートに捕まりました
─────・・・


その後、クリスマスの翌日の月曜日。

仕事納めを目前にして鬼のように仕事に向かっていてなかなか構ってくれなかった薬師丸が、オフィスの廊下ですれ違いざまに楓を呼び止めた。


「伊集院さん」

「はい。どうしました?」


薬師丸どころか職場内の誰からもクリスマスのお誘いがないことに焦り、かといってこちらから誘うにはタイミングもなければプライドも邪魔をした。

結局、就職前から関係のある男を侍らせて怠惰に聖夜を過ごす羽目になったのだが、ここに来てようやく薬師丸が自分に目を向けたのか。

やっぱりあの女にガツンと言ってやって正解だったわ、と舞い上がる心地で小首を傾げたのだが。


「先日、私の意中の女性に要領を得ない言葉を唐突に浴びせて絡んだらしいですね」

「は……え?」
< 203 / 217 >

この作品をシェア

pagetop