熱愛系エリートに捕まりました
でも、さすがにこの日は二人で過ごそうとクリスマスのうちに話し合っておいた。

そうして、地下鉄の沿線にあるマンションの、蒼士さんが一人暮らししているお部屋に初めてお招きされるに至ったというわけだ。


てっきり高級マンションかと思ってたけど、普通の単身者向けマンションだった。

リビングと、寝室と書斎を兼ねた部屋にキッチン、お風呂、トイレという間取り。

本人曰く、ほとんど寝に帰るだけだし一人暮らしだからあんまり広くても困る、とのこと。


いつも通り車で迎えに来てくれた後、スーパーに寄って買った鍋の材料を冷蔵庫にしまって、お互いふぅと一息。


「先に座ってて。コーヒー淹れるから」

「ありがとうございます」


バリスタマシンをいじりながら促され、素直にリビングに移動することにした。

スーパーの前にうちの近くのベーカリーにも寄って、お昼ご飯用に買ったパンの袋も持っていく。
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