熱愛系エリートに捕まりました
リビングに戻ると、薬師丸さんもスーツを少し着崩した状態で身につけて、さっきと同じテレビ向きのソファに座っていた。

うん、こうして見ると、やっぱりわたしとは住む世界が違う。

彼はこの贅沢な空間にすっかり溶け込んで、違和感がないもの。


「あの、荷物って…」

「あぁ、ここにあるよ。はい」


ソファの向こうに置いてあったようで、薬師丸さんが手渡してくれた。

それを受け取り、お礼を言いながら軽く頭を下げる。


「あの、ここって宿泊代いくらですか?」

「は?」

「そんなにお金持ってないんですけど、払える分は払いますので」


本当はこのまま「では、ありがとうございました」と終わりたいところだけど、そこを解決しないことには帰れない。
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