熱愛系エリートに捕まりました
そんなことをぐるぐると考えていたら、なんだか急に恥ずかしくなってきた。

視線を逸らして俯きながら、「お任せします」と蚊の鳴くような声で呟く。


すると、まだシートベルトをしていなかった薬師丸さんが体を寄せてきて、こめかみにキスされた。

一瞬の出来事に驚いて固まっていると、そのまま耳元で囁かれる。


「大丈夫、変なことはしないよ。ご飯を食べたらちゃんと家まで送り届けるから。ちょっと待っててね」


左手で髪をさらりと撫でながら体を起こした彼は、スマホを持って車を降りる。

バタン、とドアが閉まる音で、ようやく息を吹き返した。


な、な、何今の…!?

熱くなった頬に両手を当てて身悶える。

なんかいきなりスイッチ入ったっていうか、ずっと優しかったけどそこに甘さが加わったっていうか!
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