初めての甘い恋人
ーーー


ワインを飲みながら、仁の言葉を静かに聞いていた。


そうなのか…。仁の生い立ちを聞いて、少し悲しい気持ちになり自然と涙がこぼれた…。


「アリアが泣くことはないよ…。」

「でも、あまりに悲しくて…。実の両親にそんな事されるなんて……私はなんて恵まれていたんだろうと、実感する…。」


そうだ…。私の悩みなんて、仁に比べたらちっぽけすぎて…。


「でも今は、凄く幸せだよ。アリアと出会えて…。初恋が実ったんだからね。それに、過去があったから今があるとも思うし。」


そんな風に思える仁を尊敬する…。


「私が仁を幸せにするから!」

「えっ?……」

「これからは私がいるし、なにがあっても守ってあげる!!」


あっ!!私は酔った勢いとはいえ、なんと言うことをっ!!男性に守ってやるとは……仁もびっくりしてるし…。


「ホントに…。アリアは私の考えてる遥か上をいくね。」


そういいながら少し笑って優しく抱きしめてくれた。

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