初めての甘い恋人
ほどなくして、護さんが姿を現した。


「仁!こんな遅くに珍しいな!……アリアちゃん…」

「こんばんは」

「護、座ってくれ」


護さんも席につき、カクテルを頼んでウェイターが持ってきたところで、仁が話し出す。


「護…。俺が前話してた女性はアリアの事なんだ」

「……」

「護…」

「何となく分かっていたよ…。お前のビルで会った時の二人の様子で……でも…俺も意地、悪かったよな」

「護さん……」

「あの時アリアちゃん、切ない目で仁を見つめてて…。でも、俺もどうしてもアリアちゃんに振り向いてほしくてさ……ガキだな…」

「護…。俺がハッキリしなかったから…」

「じゃぁ、お互いだな!お前たち上手くいったんだろ?」

「あぁ」

「俺は初恋、上手くいかなかったけど、お前たちは幸せにな」

「護…」

「護さん……ありがとうございます」

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