初めての甘い恋人
幸せに……そう言って護さんは帰っていった。帰っていく背中から目が離せなかった…。

護さんにも幸せになってほしい……


膝においていた手を温かい手が握ってくれる。


「仁……」

「アリア、今日はうちに泊まってくれる?」

「そうしたいんだけど、明日お祖父様に会うのに来ていく服もないし……」


そうなのだ……せっかく仁と一緒にいれる時間……

なのに、急で何も持って来ていない。カイルの部屋に着替えぐらいはあるものの、仕事用のジャケットとかだし…。


とてもじゃないけど、お祖父様に会うのに仕事着はな……


「明日、昼過ぎに祖父の家に行くようにしているから、午前中までに用意出来ればいいでしょ?」

「う、うん…そうだけど」


仁は「ちょっと待ってて」となんか電話をかけている。


「では、明日……」


ん?お祖父様?でも、こんな夜遅くに?


「アリア、明日、祖父に会いに行く前に外商が一式持って来てくれるから」

「ん?……」
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