蛍が浮かぶ頃 【砂糖菓子より甘い恋2】
「龍?」

毬は雰囲気の違いに身体を起こした。
怯えた声に、龍星は我に返って苦笑すると、毬のために用意していた解毒剤の残りを飲み干した。



すうと、たぎっていた欲望が落ち着いていく。

「何でもない。少し……疲れた、かな」


龍星は倒れこむように、寝具の中へと崩れていった。
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