蛍が浮かぶ頃 【砂糖菓子より甘い恋2】
「龍」

倒れこんだ龍星を毬は為す術もなく見つめる。

伏せて眠るのは辛い……よね?

毬はその身体の下に手を入れ、仰向けにさせようとした。

が、重くて全く動かない。

毬は諦めて、眠る龍星の髪をそっと撫でた。
改めて見ると、広い背中。

毬は寝具をかけると、その隣に潜り込む。


いつも一緒に眠る時よりさらにずっと近くて、幸せのあまり目眩がした。
大好きな龍星がこんなに近くにいる。


毬は龍星の着物に顔を埋め、大好きな香の匂いを愉しみながらいつしか眠りに落ちていった。
< 70 / 95 >

この作品をシェア

pagetop