蛍が浮かぶ頃 【砂糖菓子より甘い恋2】
目が覚めた龍星は、身体を起こそうとして、自分にしがみついている毬に気付いた。
そっと手を外し身体の向きを変える。


夕べのことを思い出して、苦笑しつつ、隣でまだ寝息を立てている毬をそっと抱き寄せた。


寝顔は無垢なお姫様にしか見えない。

龍星は懐にしまっていたかんざしを取り出し、毬の髪に差し、そっと唇づけた。


まもなく都の夜が明ける。
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