蛍が浮かぶ頃 【砂糖菓子より甘い恋2】
ふう、と毬は安堵の息を吐いて龍星の背中から離れる。
「雅之、ごめんね。
今度キツネに呼ばれたら、私、どうしたら良いのかしら?」
ふわりと龍星が毬の頭を撫でる。
「その時は、俺を呼んで」
「うん、わかった」
三人で酒を酌み交わす。
もっとも、毬はまだ酒の美味さが分からないので、空の盃を前にしているだけだが。
太一の母親は、結局、狐に操られて夫を殺したという扱いになり、無罪放免となったが、その後自ら川に飛び込み命を絶ったということだった。
毬がやりきれない思いで庭に目をやる。迷い込んだ蛍が見えた。
話題はやがて、軽いものへと移っていく。
盛り上がる宴はまだまだ長く続きそうであった。
「雅之、ごめんね。
今度キツネに呼ばれたら、私、どうしたら良いのかしら?」
ふわりと龍星が毬の頭を撫でる。
「その時は、俺を呼んで」
「うん、わかった」
三人で酒を酌み交わす。
もっとも、毬はまだ酒の美味さが分からないので、空の盃を前にしているだけだが。
太一の母親は、結局、狐に操られて夫を殺したという扱いになり、無罪放免となったが、その後自ら川に飛び込み命を絶ったということだった。
毬がやりきれない思いで庭に目をやる。迷い込んだ蛍が見えた。
話題はやがて、軽いものへと移っていく。
盛り上がる宴はまだまだ長く続きそうであった。