食わずぎらいのそのあとに。
病院の予約をして、冷蔵庫を見て朝ごはんを考えて、タケルを起こして洗面所に無理やり連れていく。久しぶりだ、こういうの。
最近食欲がなくて朝は食べられないことが多かったけど、今日は二人分卵も焼いて、サラダも用意した。
ランチョンマットを二枚並べて盛り付けていたら、気合いが入り過ぎに見えて急に恥ずかしくなってくる。でも今更片付けるのも変だし、と慌てていたらタケルがシャワーから出てきた。
「おはよ。なんか豪華だね」
「病院が10時頃になりそうだから、食べたら出ようと思うけど、二日酔い?」
新婚気分で張り切ってると思われないように、できるだけさりげなく振舞ってみる。
「平気。一緒に行くよ」
「一回帰る?」
「いや、着替えあったよね」
「うん、でも最近いつも帰るから」
「あー、うん。でも平気」
歯切れ悪くタケルが答えた後、なんとなく気まずい。
久しぶりにうちにいてくれて嬉しいのに、当たり前みたいに朝ごはんを食べる姿を見たら、モヤモヤした気持ちになっていた。言い訳も説明もしてくれないし。
タケルも気を遣ったのか「うまい」って言ってくれたけど、「うん」と短い返事しかできなかった。