食わずぎらいのそのあとに。
やっと席に戻ったら、真奈が隣でニコニコしている。さっさとみんなに付き合ってる宣言したらって最初から言ってくれてたもんね。
「お疲れ様です」
「ほんとに疲れたかも。緊張したよ」
「香さん真っ赤になってて、かわいかったですよ!」
「平内は超普通で、ずるいよね。なんなのあれ」
「え、そこがいいんですよ。でも自慢げでしたよ、平内さん。私ビデオ録っちゃいましたよ」
「なにそれ、やめてよ」
今日発表するって言っといたから、準備してたのか。真奈は嬉しげに動画を見せてくる。
「香さんにも送りますね~」
そんなやりとりをしながら、なんだかやっと結婚したって実感が湧いてきていた。
「おめでとう」って言葉がこんなに嬉しいものだって、知らなかったかもしれない。
そして新組織ということで、リーダーになった沢田を中心にチームミーティングを早速行うことにする。
「来週から、派遣さんが入ります。主に植木のサポートとして考えているので、最終的には植木が香さんから業務引き継げるようにして」
「はい」
「香さんは、7月半ばまでってことになってますけど、体調もそんなに良くないって聞いてるんで無理しないでください」
沢田はテキパキとリーダーらしく進めて行く。
「ありがとう。でももう安定期だし、貧血も収まってるから、気を遣わないでね。新チーム立ち上がりなのに休職することになって申し訳ないと思ってます。よろしくお願いします」
「こないだも言いましたけど、俺にとっては棚ぼたですからね。サブリーダーどまりですから、向こうのチームじゃ」