食わずぎらいのそのあとに。
小林達は盛り上がってくれていて、お昼の時間に休憩室の打合せコーナーに集まることになった。

「6月頭でできる場所をいくつか押さえたんですよ」

カラー印刷の資料をいくつかくれる。データ送って見てでもいいのに、マメだね。

「香さんに選んでもらえたら、案内はこっちで送ります。内容はもう、香さんの希望次第なんですけど」

「ありがとね。ほんと嬉しい。希望ってなんだろう、特にないんだけど」

「今まで出た会でこういうのが良かったとかないですか」

「あ。友達が楽器やるんだけど、私が結婚するときは弾くから呼べって言われた」

2月に出た大学友達の結婚式で、新婦友人がピアノを弾くのを聞いて高木くんが言ってた。

あの時はまだ複雑で「特に予定はないけど」と言っちゃったけど。

「楽器ってバンドですか?」

「うん、民族音楽っていうんだと思う。前見たときは 3人ぐらいでやってたかな。かっこいいから私も好きなんだけど、でも唐突かなぁ」

「アジア系?」

「ううん、イギリス系?ケルト音楽っていうの。バイオリンとパイプとかで弾くの」

「ああ、わかります。広めのガーデンテラスがついてるって店、これですけど、合うかもしれないですね」

「ほんと? でもそれに合わせて決めてもらうのも変だよね? タケルは? 希望ない?」

小林に任せっきりで他人事のようなタケルに声をかける。

「俺? 俺はなんでもいいよ。地元の奴らが暴れないように飲めるとこならなんでも」

「リュウくんたち焼酎とかのほうがいいのかな?」

「別になんでも飲むからいいって。洒落たところでビビらせとけ、むしろ」

タケルの言葉に、小林が黙って変な顔をしている。

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