そのイケメン、オタクですから!
「本当にやるの?」
ふて腐れたよっちゃんの髪を巻いた後ツインテールに結んで、ピンクのグロスを塗る。
白いエプロンにフリフリの黒のワンピース。

実は……うちのクラスの出し物はメイドカフェ。
めいどいんふぁいとの制服借りて来ちゃったんだよね。

店長は「店の宣伝して来るのよー」ってノリノリだった。

色白で可愛らしいよっちゃんはメイド服がすごく似合う。慣れない仕草でエプロンを弄ってる姿なんて見せられたら、女の私でもドキドキしちゃうぐらい。

今日は健くんも来るから、ふふ、いいものが見れるなぁ。

私はもちろん、自分の準備は慣れたもの。
スプレーで茶髪にしちゃってふわふわの巻き髪をポニーテールにしてる。

「お帰りなさいませ、ご主人様」
首を傾げて微笑んだら、他校の男子が釣られたみたいにふらふら近寄って来た。

去年のメイドカフェより絶対クオリティは高いはず。
意外と負けず嫌いの血が騒ぐ。

「ご主人様、ふりふりみっくちゅジュースお待たせ致しました」

ウインクして「ふりふり」ってシェーカーを振るけど、何だか視線が痛いのは気のせい……?
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