俺様副社長のとろ甘な業務命令
「えー、そんなことなら何で部長昨日のうちに知らせてくれなかったんですかね?」
「それがさ、今朝いきなり決まったらしいよー」
左隣の席の美香子は片付けも完了して、パソコンを起動させながらコソッと知らせてくる。
「今朝って、何それ」
「さぁ? あ、でも、超やり手のエリートみたいだよ〜。若いみたいだし、イケメンかな?」
「またそれー? 昨日からそんなこと言ってばっかじゃん」
「何でも帰国子女とかで、スタンフォード大学でしたっけ?」
「違うわよ、プリンストン」
「えっ、コロンビア大じゃなかったですか?」
「違うわよ!」
私を挟んで、美香子と笹野先輩が名門大学の名前を違うだ何だと言い合う。
「まぁ、とにかくすごい人っぽいよ。厳しい人じゃなきゃいいけどねー」
「何でもいいけど、朝っぱらからやめてほしいよね、超厄介、あっ!」
広げていた商品を抱え、戻しに行こうと慌てて振り返った時、グロスが一本手から飛び出していってしまう。
宙を舞ったグロスは、パシッといい音を立てて目の前でキャッチされた。
「あっ、すみません!」
……って。
え……えぇ?!
「……超厄介なのはどっちだ」