俺様副社長のとろ甘な業務命令


いつまでうちにいるんだっけ?

……半年?
いや、三か月って言ってたっけ?


とにかく、今のプロジェクトを終えるまではまだ当分行動を共にしなくちゃいけない。

こんな調子じゃ、やりたかった念願の仕事も気が重くなる一方な予感しかしない。


「佑月!」


とぼとぼと歩いていると背後から名前を呼ばれた。

聞き慣れた声に振り返る。


「颯ちゃん」

「お疲れ。残業か?」

「あ、うん」


重たい体を引きずる私と違い、軽やかな足取りで近付いてくる颯ちゃん。

横に並んで歩き出すと、様子を伺うように顔を覗き込まれた。


「どうした、随分お疲れじゃん?」

「えっ、あぁ、まぁ……」


お疲れなんてもんじゃ済まないくらいげっそりだけど、一言じゃまとまらず苦笑いで返す。


「なぁ、今から予定とかある?」

「え、ううん。今日は真っ直ぐ帰ろうかと」

「そっか。じゃあ付き合わない? 夕飯、まだだろ?」


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