俺様副社長のとろ甘な業務命令
「っ……あ、あの」
強制的に顔を向かされて、嫌でも目が合ってしまう。
二人きりの車という密室で。
しかも夜に、こんなに近距離で。
こんな風に見つめられるなんて、標準な女子なら心拍が上がらないわけがない。
誰かが仕事中に雑談していた。
「整い過ぎてて顔見るのが恥ずかしい」と。
そんなことを思い出してしまうと、速まっている鼓動が更に早鐘をつく。
無意識に自分もそうしていたのかもしれない。
面と向かってじっと見ることも、見られることも、避けるようにしていたことにこの状況の中気付く。
私の心境を見透かすように逸らされない副社長の目。
耐え切れなくなって視線を外す私に、副社長はフッと息を漏らした。
「顔が疲れてるな」
「えっ……」
「化粧品会社の広報がそんな顔じゃいい仕事ができない。一晩でしっかりリセットしてこい」