俺様副社長のとろ甘な業務命令



みなとみらいを出た車は、首都高には乗らず横浜駅周辺へと近付いていた。

まだどこかに寄るのだろうかと思いながら特に何も言わずにいると、駅前の駐車場へと車は停められる。


「まだどこか行くんですか?」

「ちょっと寄り道だ。行くぞ」


それだけを言い、副社長はさっさと車を降りていってしまう。

訳がわからないまま後について行くと、向かった先は駅前の有名デパートだった。


一階のブランドコスメのフロアを歩きながら、今度は他店視察でもするのかとピンときたものの、副社長はエスカレーターで上階へと上がって行ってしまう。


不思議に思いながらスーツの背中を追って行くと、立ち止まった先は普段滅多に入ることのないハイブランドの店舗の前だった。


「あの……何か、買い物ですか?」

「その服、何とかした方がいいだろ」

「……。えっ、わ、私の、ですか?!」

「あと誰がいるんだよ」

「いやいやいや! こんなお高い店で服とか、買えないです、無理です!」

「騒ぐな、目立つ」


そう言った副社長は、オロオロする私の肩をサッと攫って躊躇なく中へと入って行ってしまう。

落ち着いた雰囲気の店舗に連れ込まれるともうそれ以上は騒ぐことは許されず、ただ黙って変な汗をかくしか出来なかった。


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