夫の真実
【要sights】
オーストラリアの出店について、プロジェクトチームが組まれ、本格的に動き始めた。
俺もサブリーダーとして加わり、日々忙しい。
夜も遅くまでかかり、このところ美保ともゆっくり話す時間も取れない。
毎晩、1人で食事をさせ、寂しい思いをさせていることは、わかっていた。
時間をもて余すなら何か習い事をしたらと、言ってみたら、佐伯の叔母から、ホテルの花活けの手伝いを頼まれたようで、やってみようと言うことになった。
美保が、生き生きしている。それを見ている俺も嬉しくなる。
そんなある日、ずっとアメリカに行っていた従妹の一美から連絡がきた。
一族の外れ者的な存在だ。すぐに男に惚れ、別れてはまたくっつくの繰り返し。
確か、今の男は、アメリカ人のミュージシャンだったはず。
また、別れたのだろう。
小さい頃から、俺のことを兄のように慕ってくる。俺も甘やかしてきた責任のようなものを感じていた。
昼食を兼ねて、呼び出されたホテルに向かった。
「叔父さんか、叔母さんに連絡しろよ。」
「また、怒られて家に縛られるのがおちよ。
それより、要ちゃん、結婚っていいもの?奥さんってどんな人?」