夫の真実
「結婚っていいよ。毎日充実してる。こんなにいいものだとは、思ってなかったよ。一美も、そろそろ真剣に考えたら。」
「失礼ね。私は、いつも真剣よ。相手が悪いのよ。きっとまだ運命の人と、出会ってないのよ。」
「俺も見合いだけど、一美も見合いしたら。それなりに見合う人に出会えるだろうし。」
「んー、まだいいかな。ところで、要ちゃん、私に新婚生活を見せてくれないかな?要ちゃんたちを見てたら、結婚したくなるかも。暫くお世話になっては、駄目?」
「また、どうして俺の所?」
「要ちゃんはさ、うちの両親に信用があるし、要ちゃんの所にいるのがわかれば、煩いこといわないだろうし。 何よりも、私が要ちゃんの奥さんを判定してあげる。私の大事な従兄を預けていいかどうか。」
「遠慮しておくよ。それに判定は自分でするし、今のところ満点だから。」
「まあ、判定は置いといて、暫く私を面倒みてよ。3ヶ月、いや、1ヶ月でいいから。お願いします!」
「すぐに返事は、できないよ。美保にも聞いてみてからな。」
「わかってる。返事待ってるから。」
「じゃあ、また、連絡するよ。」
俺は、その時、携帯を落としたことに全然気づかなかった。
それが美保に、誤解と悲しい思いをさせてしまうことも。