夫の真実


「要さん、こちらはどなた?」

私は、にこやかに聞いた。

「大竹さん、妻を紹介します。妻の美保です。美保、こちらは以前、うちの会社のコマーシャルに出演してくれた女優の大竹まやさん。」

「美保です。今日は来て下さってありがとうございます。」

と丁寧に挨拶をした。

大竹まやは、再度、

「へぇ、要の好みは、こういった女性だったっけ?」

と失礼な言い方をしてくる。

カチンときた私は、

「大竹様、先ほどから、主人のことを、呼びつけされていますが、ここはプライベートの場ではありません。止めていただけますか。」

私は、彼女の目を凝視して、毅然とした態度ではっきりと言い切った。

回りの人たちも、彼女の反応を、息を潜めて待っている。

彼女はばつが悪そうに、

「それは、失礼しました。ご結婚おめでとう。では、私はこれで。」

とその場を立ち去った。

その後、回りは、何事もなかったかのように、和やかなパーティーに戻っていった。



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