夫の真実
見合いの日、彼女の希望で、二人だけで会うことにした。
それも、彼女の家の庭。
つまり、家を訪ねて欲しいと言うことだ。
流石の俺も緊張した。
一応手土産に、無難に色とりどりのマカロンを持参した。
庭の東屋には、テーブルと椅子。
和風の庭に合わせた木製のもので、そこで、彼女が抹茶を淹れてくれた。
着物姿かと期待していたが、ふわふわのワンピースだった。でも、着物姿の凛とした雰囲気とは違う、優しく甘い空気を漂わせていた。
「和がお好きですか?」
と聞くと、
「外国暮らしが長かったので、日本的な物に憧れます。」
「だから、華道を?」
「はい。日本に帰国して、すぐに華道と茶道を習い始めました。田代さんは、和はお好きですか?」
「どちらか、と言われれば、和食が好きですし、温泉も、大好きです。」
「温泉、私も大好きです。」
彼女の話し方は、穏やかな中にも、自分の意見や考えをはっきりと伝えたいと言う意志が垣間見える。
お互いの好きな物や、趣味、世の中の見方など、話は尽きなかった。