私の彼氏は超肉食系

ぼったくり

「あのショーパブって美形ばかりね。」

『一条ゆり』がウットリして言う。

本当に裕也の勤めているショーパブに行ってきたらしい。

あんなものを母親が見て楽しいのだろうか。

裕也は嬉々として見せそうだけど。

一度お願いされて行ったのだが、90分1セットでショーを見てお酒を飲んで9000円。

しかもシャンパンを入れさせられ、相手が飲む酒代も含めると50000円近く飛んでいってしまった。

ぼったくりと思ったが、あの界隈では良心的な値段なのだそうである。

「そうですね。」

それは自分の息子も含めているのかと聞いてみたかったが止めておく。

裕也は無改造だが、大半の人間は改造しているらしい。

てっきり豊胸手術から手をつけるのかと思ったが、顔の輪郭からイジるらしい。

「それにダンスが本格的だったわ。あれなら、劇場舞台でも使えるわよ。」

「世界で活躍されている振り付け師が演出を担当されていて、その弟子たちが週に1回指導してくれているそうです。しかも、お店のマネージャーが厳しい人でどんなにお酒が入っていても毎日閉店後に朝まで練習させられているそうですよ。」

寝る時間は無いと言っていたが、裕也の生き生きとした表情をみれば充実していることがわかる。
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