私の彼氏は超肉食系
「そうそう。ひとつ聞き忘れていたわ。あの子を放り込める適当な病院が無いかな。できれば自分のコネは使いたくないのよ。私から辿れるような病院だと週刊誌の記者が押しかけるかもしれないでしょ。」

「はい。あります。」

紹介できるような病院はひとつしかない。

コネがある病院だから拒否されることはないと思う。

「そこって精神科はある? 最悪、気がふれたことにして強制入院させることもできるでしょ。」

この母親、自分の子供を何だと思っているんだろう。

いくら迷惑を掛けられたからって、それは無いんじゃない?

知っている病院は精神科もある。

彼に性欲を抑える注射を処方してもらったところだから。

「へえ。あそこならいいわね。」

外来の設備がシッカリした有名病院。

その見た目と裏腹に病棟の奥にいくと本格的な精神科病棟もあるところ。

母が入院していた病院である。

看護婦の連携でミスをして空白時間を作ってしまい。

母の自殺にしばらくの間、気付けなかったらしい。

あのときは頭が真っ白だったせいか相手の言いなりに僅かな示談金を貰い誓約書を書いた。

だからか多少の融通は聞いてくれる。

「特別室でいいですよね。」

「あの子を隠しておけるところなら、何処でも構わないわ。なんなら看護婦さんに手を出さないように縛り上げて貰ってもかまわないのよ。」

そこまでは言わなくてもいいのに。

だんだんと彼が可哀想になってきた。
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