魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜

ああ、やっぱり。


平気なふりをしていても彼女には、何でもお見通しみたいだ。



「そう言う時の貴方は、嘘みたいな顔をするから」


困った僕は笑うしか手がなかった。



隠蔽したはずの偽り。


内側に巧妙に隠しているというのに、なぜ。



一番に、気付いてくれるのだろう。


抱えた心の叫びに。



そっと触れてくる手を払うことなどしない。


むしろ歓迎して受け入れた。


頰に添えられた手に抵抗なくじっとしていると、ゆったりと撫でられる。


それが、彼女とは違う手触りの髪へと移り、梳かれる。



僕に触れる彼女の手つきは常に、優しい。


まるで壊してしまわないようにと慎重になっているかのようで、不安になった。



アリサが一人にならないように。


自分が側にいなければ。