君の星、僕の星
あの日から様々な感情が胸に渦巻いている。
どんな女なのだろう。
歳はいくつなんだろう。
どうやって知り合ったの?
今のところ知っているのはイニシャルが『A』という事だけ。
どうせ遊びだ。妻は私だ。
気にする事ないと言い聞かせてみても、優しい夫に裏切られていた事実を思うとふいに涙が出てくる。
そんな弱い自分が情けなくて余計に泣ける。
確かに最近、家の中の空気はどことなく澱んでいたかもしれない。
辛い治療のストレスから当たってしまうのが申し訳なくて、夫を避けた日もあった。
くつろげる家ではなかった。
だから夫は他の女に安らぎを求めた。
それにしたって不妊治療中にそんな事をする男と、この先人生を共に歩んでいけるだろうか?
「瀬戸さん。体外受精に切り替えてみませんか?」
医者に勧められるままに治療を続けているが、結果はまだ出ていない。
私が一生を共にするパートナーは英俊ではないと
神様がそう言っているのだろうか。