君の星、僕の星

「後ろ、こんな感じになってます。ちょっと切って全体的に軽くしておきました。いかがでしょう?」

「とってもいいです。ありがとう」


美容師の彼はにっ、と笑い私の顔についた細かな髪の毛をブラシで払ってくれる。


「長い時間お疲れさまでした。どうぞ」


レジに向かって歩き出す背中を見ていたら
無視できない欲求がむくむくと膨らんできた。




私だって、たまには夫を忘れて
他の男の人と恋に落ちてみたい。




「一万円からお預かりします。いつもありがとうございます」




それが例えば、

例えばこの人だったら




「あ、瀬戸さん。」
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