桜ノ蕾
「ごめんなさい……」
小さく呟くと撫でていた手が止った。
「いきなり何だ?」
驚いたように私を見る彼を次はちゃんと真っ直ぐ見る。
「ごめんなさい。私貴方に酷いこと言ったのに……」
語尾が小さくなってうつ向いてしまう。
来てくれる何て思わなかった。
止めてくれてほんとに嬉しかったの。
「いや、あれは私も悪い。すまないな嫌がることをしてしまって」
気まずそうに笑いながら謝った彼に私も笑顔を向けた。
またお互い様だ。
「ありがとう」
誰も助けてくれないと思った。
本当は半分諦めかけてた。
でもちゃんと助けてくれた……
感謝の気持ちを笑顔に乗せて彼に伝える。
「助けてくれてありがとう」
そのあと、彼は無言で私の頭をグリグリと撫でていた。
それが照れ隠しだとわかって私はクスクスと笑い続けた。
彼は意地悪でデリカシーが全くなくて、たまにムカつくことをしてくるけど。
ちゃんと私のピンチには助けてくれる人みたいです。